できる人の超仕事術(3)

一流の仕事術●できる人はみな「小さな成果」の貯金をしている


成功している人は上から降ってくる仕事をやりきり「小さな成果」を積み上げていくことこそが成功への近道だとわかる。

彼ら・彼女らのうち誰ひとりとして、自分の夢に向かい一直線に進んできた人はいない。

どんなに「できる人」であっても、よくよく話を聞いてみると、長い下積みの期間を経ている。

誰もができて誰もがやりたがらない仕事をコツコツと取り組んでいった時代がある。

だが、彼ら・彼女らがそうやって「小さな成果」をためていったころのことは、なかなか表に出ることはない。

なぜなら、それは他の多くの人たちもやっていることであり、とても地味な体験だからだ。

彼ら・彼女らの「小さな成果」の貯金の仕方が半端ではくすごい。

その貯金が大きく膨れ上がっているからこそ、のちの大成功につながっているのだ。


●「小さな成果」を加速度的に増やすコツ


付加価値をつけて打ち返そう。

上から降ってくる仕事を全力でやると、必ず結果が生まれ、それが「小さな成果」となっていく。

このプロセスを繰り返していくうちに、「小さな成果」が貯金されていき、やがてはビジネスパーソンとしての自分を支えてくれるようになる。

入社まもない新人や、担当部署で経験の浅いビジネスパーソンであれば、最初のうちは上から降ってくる仕事を打ち返すだけで精一杯だろう。

だが、いずれ仕事に慣れ、作業的にも精神的にも余裕が生まれるようになってくる。

「できる人」になっていく人は、ここから取り組み方を変える。

ここが大きな違いだ。

彼ら・彼女らは上から降ってくる仕事に対し、付加価値をつけて打ち返しはじめる。

そうすることで、「小さな成果」がたくさん生まれてくる。

それも短期間のうちにである。

プロ野球選手を目指していることを考えてみよう。

最初のうちは、投手が投げてくる球をバッドに当てるだけで精一杯だ。

だが、当てるだけではヒットやホームランにはならない。

どこへ打球を飛ばせばヒットになるだろう。

どれだけ打球を飛ばせばホームランになるだろう。

練習や試合のときは、そう考えてバットを振っていくはずだ。

多くのビジネスパーソンは、投手が投げてくる球をバットに当てるだけで満足してしまう。

まぐれでヒットやホームランを打つかもしれない。

だが、だいたいはピッチャーゴロや内野フライで終わりだ。

いつも同じ結果を出すだけのルーチンワークになってしまい、打撃成績はあがらない。

ここから先に進むためには、どのようにバットを振ればうまくいくかを考えながら、スイングすることだ。

いろいろと試していくうちにヒットが打てるようになる。

それが新しく生まれる「小さな成果」だ。

これは仕事の場合だと、上から降ってくる仕事を、付加価値をつけて打ち返すということだ。

「できる人」は、ある時期からこの作業を始めている。

そして「小さな成果」を加速度的に増やし、その貯金をどんどん膨らませている。

それでは付加価値をつけて打ち返すということは具体的にはどういうことか。

様々なやり方があるが、基本的には下記の4つがある。

(1)視点を変える

(2)広げる

(3)わかりやすくする

(4)楽しんでやる



●視点を変える


上から降ってきた仕事を付加価値をつけて打ち返す。

その方法の1つ目は視点を変える、ということだ。

あなたは会社で電話番を任されたことがないだろうか。

上司や先輩にひっきりなしに電話がかかってきて、その対応に追われる。

自分だって任されている仕事があるのだから、時間をとられて煩わしい。

だが、「できる人」になっていく人たちは、余裕が出てきたところで、視点を変えて仕事に取り組むようになる。

自分の視点だけにとらわれず、一歩引いたところで、俯瞰し始めるのだ。

すると、いろいろな気づきが生まれる。

その気づきが、上から降ってきた仕事に付加価値をつける。

たとえば上司あてに他社から電話がかかってきたとしよう。

あなたが命じられていることは、「電話番をすること」だ。

でも、ここでちょっと立ち止まり、自分の視点から離れてみよう。

電話の相手がたずねてきた会社の上司や先輩の視点に立ってみよう。

それはどんな意味があるだろうか?

視点を変えるということは「他人の立場に立ってモノを見る」ことだけではない。

「自分が立っている場所をちょっと動かしてみる」ということもある。

人はいつも同じ場所からモノを見ている。

それが日々の習慣となり、知らず知らずのうちにそれしかないと思ってしまう。

これでは新しい気づきが生まれてこない。

そこで立ち止まって、立ち位置を少し変えてみるのだ。

すると、これまで見えなかったことが見えてくる。

それが上から降ってきた仕事に付加価値をつけるヒントになる。

具体的には、これまでの自分の仕事の「やり方」を変えるといったことだ。

これまでうまくいった「やり方」であっても、それをちょっと変えてみるといったことだ。

これまでうまくいった「やり方」であっても、それをちょっと捨ててみる。

その代わりに、もっとうまくいく別の「やり方」はないか、ほかの人がやってもできる「やり方」はないかと試してみる。


●視点を変える5つのテクニック


(1)「前のめりでないか?」と自問する

仕事を熱心にしようとすればするほど、前のめりになってしまい、周囲の景色が見えなくなってしまうことがある。

熱くなったときほど、まわりを見回してみる。

そうすることで自分を客観視できる。


(2)「他人からすれば」と口にしてみる

誰にも自分の持ち場や立場があり、それに即した考え方をしている。

だから、自分の考えが常に正しいと考えてしまう。

そうしたときに、自分とは違った立場の人なら、自分の考えや行動がどのように見えるか想像してみよう。


(3)日にちを変えて3回見直す

ラブレターは次の日の朝に読み返せという。

熱い気持ちのままで書いたことを「一度、熱を冷ます」というイメージで時間を置く。

時間が許すのであれば、翌日、3日後、1週間後と、3回見直すことで冷静に考えをまとめることができる。


(4)反対意見を想像してみる

自分の考えが通らないのは、必ず反対意見を言う人が出てくるからだ。

最初に自分の考えに反対意見を想像してみる。

すると、まったく違った視点でものごとを見られるようになる。


(5)やるべきことを紙に書いて遠くから眺める

プレッシャーにさらされているときは、どうしても近視眼的になりがちである。

そういうときは、やるべきことを紙に書いて壁にはり、ちょっと遠くから眺めてみる。

時間を置いたり、距離を置くことで、ものごとの輪郭がハッキリしてくる。


●仕事を広げる


上から降ってきた仕事をそれだけで終わらせない。

付加価値をつけて打ち返そう。

上からの仕事に、まわりの別のことともつなげ、取り組む仕事それ自体を広げるのだ。

すると、あなたが打ち返す仕事は大きなものとなり、それだけたくさんの「小さな成果」が生まれることになる。

たとえば・・・・・・

●この仕事は、ほかの仕事とセットにしてみよう

●この仕事は、ほかの人の力も借りよう

●この仕事は、ほかの会社とも組んで進めよう

・・・・・・といったことだ。

私はある新入社員に対して「お客様に資料を届けてきて」と指示した。

彼女にとってみれば、それは上から降ってきた仕事だ。

それにどうやって取り組むかが、何度も繰り返すようだが「できる人」になれるかどうかの最初の分かれ道だ。

ここで彼女は「できる人」になっていく片鱗を見せてくれた。

私から言われたとおり、ただお客様に資料を届けてくるだけで終わりにしなかった。

彼女は私に「勉強のためにお客様にいろいろお話をお聞きしてもよろしいでしょうか?迷惑にならないようにしますので」と相談を持ちかけてきた。

私はもちろんOKをした。

すると資料を届けにいくことをきっかけとして、彼女は先方の担当者と1時間近く話し込んできた。

そして「実は3カ月後に新規事業が立ちあがる関係で、人手不足なんです。深夜まで仕事があって体がきつくて」という先方のニーズを聞き出した。

このことを彼女は上司に相談し、業務の受託に結びつけた。

当然、私の彼女を見る目が大きく変わった。

新入社員は毎年、たくさん入ってくる。

そうした中、上から降ってきた仕事を広げ、付加価値をつけて打ち返してくる彼女のような存在は目立つ。

その他大勢の新入社員の中で、頭ひとつ抜け出してくるのだ。

上司からかけられる期待も高くなり、上から降られる仕事もレベルがひとつ高いものになる。

これが1年、2年とたっていくうちに、周りとの差をぐんぐんつけていくのだ。



  • 最終更新:2011-11-23 04:32:15

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