できる人の超仕事術(2)
一流の仕事術●あなたの「強み」は、しばしば、あなたが思ってもみないものだ
上から降ってきた仕事は、あなたの強みが実は思ってもみなかったところにあることを気づかせてくれるチャンスになる。
自分の強みについての、あなた自身の思い込みから解き放たれるきっかけとなる。
無口な人間が、実は企画提案能力にたけていて、企画立案のNo1になることもある。
自分が苦手だと思っていた分野が実は自分の強みだとうことが分かることもある。
できる人になっていった人の中には、途中で自分の意外な強みを発見し、その強みを活かしていく方向に軌道修正して成功したケースも多い。
人の適性はどこで見えるかわからないし、どこで花が咲くかわからない。
わかるのは、しばらくの間、その人が真剣にその仕事をやってみたあとのことだ。
一流の仕事術●自分の強みが意外なところで生きてくることがある
自分の強みは、自分自身にはわからないものだ。
自分の勝手な思い込みにとらわれてしまうと、自分が成長するチャンスを逃してしまう。
そうではなく、上から降ってきた仕事をまずはチャンスとしてとらえ取り組む人が「できる人」になっていく。
人との交流が得意だからといって、総務や経理、業務部などに向いていないかというと、そんなことはない。
あなたの強みは、まわりの人のほうがよく見ていることもある。
だから、未経験のうちは、ものごとを勝手に決め付けないことだ。
全て自分で経験してみたうえで、判断していく習慣を身につけるといい。
「それって、私がやってもうまくいかないと思う」「それって、前にほかの人がやってみて駄目だった」と言うのはやめよう。
あなたがやってみたらうまくいくかもしれないのだから。
ほかの人がやってみて駄目だったとしても、自分がやれば成功することもある。(だから、チャンスなのだ。)
また、人の強みは、本人自身よりもまわりの人のほうがよく見えていることも多い。
まわりの人とは、あなたの上司なり、あなたの顧客なりといった人たちだ。
彼ら・彼女らがあなたにお願いしている仕事、つまり上から降ってくる仕事のなかには、あなたの強みを探るヒントが隠れている。
一流の仕事術●好きでないからうまくできるようになる
上から降ってくる仕事をやることと、自分がやりたい仕事をやること。
そのどちらが本人のスキルアップに繋がるだろうか。
「好きこそものの上手なれ」という諺もあるくらいだから、後者のほうだと思う人も多いだろう。
しかし、ビジネスの現場におていは「嫌いな仕事をやることが上手への近道」といったことがしばしば起きる。
仕事を楽しそうにやってはいるが、いつまでも成果があがらず、夜遅くまでダラダラとやっている人が、あなたのまわりにもきっといるはずだ。
逆に、文句を言いつつも仕事をテキパキと終わらせ、成果をあげている人がいないだろうか?
ここには「やりたくないことだからうまくできる」という逆説がある。
それはなぜか?
自分のやりたいことは、好きなことだから楽しくてしかたがない。
結果、どれだけ時間がかかってもまったく気にならない。
ついついダラダラと非効率的にやってしまいがちだ。
一方、上から降ってくる仕事は、嫌いなことだから、さっさとすませようとする。
自然と効率的なやり方が身についていき、いつの間にか本人のスキルアップにつながり、本人の強みとなっていく。
一流の仕事術●仕事だと思って役割に徹するからできるようになる
ソムリエとして世界一になった田崎真也氏はもともと和食の料理人だった。
つまり厨房で働く職人気質の仕事をされていた。
ところが、和食から洋食のレストランに移って、転機がおとずれた。
仕事として客席で料理を盛り付けるサービスを任されることになったのだ。
その当時のことを、彼は次のように語っている。
「私は最初、料理人を志しましたが、客席でサービスをする機会を得て、接客の仕事に向いていることに気づいたのです。初めは接客の仕事は好きではありませんでした。しかし、「客席でサービスする」という役割に徹しているうちに、この仕事に向いていることがわかってきたのです。」
この言葉はたいへん示唆に富んでいる。
役割に徹して働いているうちに、うまくできるようになるといったことがよく起こるのだ。
一流の仕事術●自分の好きなことだと、仕事として割り切れないことも多い
「自分は人と接することが好きで、だから接客業を選んだ」という人がいる。
だが、だからこそ、レストランやカフェがうまくいかず、立ちいかなくなる場面もよくある。
何故なら、接客が好きだから、接客を仕事として割り切れない。
たとえば、自分の好きなお客様がくると、ついつい話し込んでしまったりサービスが過剰になったりしてしまう。
横柄な客や失礼なお客さまがくると、いちいち頭にきてしまう。
「これだけやっているのに」と思ってしまう。
しかし、それを仕事と割り切るとお店の売り上げをあげることを何よりも優先し、それに専念することになる。
上から降ってくるような仕事は、あなたの好きでもない仕事であることがほとんどだ。
だからこそ、「仕事本来の目的を見失わずにその役割に徹しやすい。その結果、あなたのスキルを磨き、強みを作っていくことにつながりやすい」といった側面もあることを覚えておこう。
一流の仕事術●「やりたい仕事」と「やりたくない仕事」
やりたい仕事、やりたくない仕事というものを、よく考えてみると、「その仕事をやりたくない」のではなく、「その仕事をやっていることをまわりに言いたくない」ということのほうが大きいことがある。
誰しも自分をよく見せようとしたがる。
学生時代の友人が集まったとき、「オレ、今度、油田のプロジェクトを任されたんだよね」と得意気に言ってしまいやすい。
しかし、実際はそのプロジェクトの会議資料を作ったり、毎日コピーしたりしている。
そして、その現状については友人に語らない。
結局、やりたくない仕事というのは、まわりから見たときに瑣末に見える仕事なのだ。
一方、やりたい仕事はまわりから見たときに驚くような大きな仕事だ。
そんなことより、社会のためになるか、会社のためになるか、自分のためになるか、という観点で仕事を考えよう。
一流の仕事術●あせらずに「やりたくない仕事」をやってみる。いずれ状況は変わる
若いときは誰でも大きな仕事の中心になることはもちろん、小さな仕事の中心になることもあまりない。
多くは仕事の末端だ。
ここでよく考えてみなければいけないのは、「まわりから見ると損な役割と思える仕事」をどのようにやっているかを、まわりの人は見ている。
うまくできたら瑣末な仕事をずっとやり続けさせるのではなく、ほかの仕事をさせてみたくなるものだ。
瑣末な仕事を続けさせようと上の人が思うのは、ただ仕事をこなしているだけに人のほうだ。
会社はあなたの強みや、やりたいことだけを評価して入社させたわけではないことを知っておくことだ。
あなたの強みは「行動」を通じてしかわからない。
一流の仕事術●「小さな成果」の貯金がたまるまでは、勝負に出てはいけない
上から降ってくる仕事をやっていれば「小さな成果」が日々、積み上がっていく。
それはまさしく「小さな成果」だ。
だが、ここで焦ってはいけない。
一攫千金を夢見て、元手がないのに大勝負にでてはいけない。
1日にたった10円でもいいのだ。
コツコツと元手をためていくことから始めよう。
勝負に出ていいのは、ある程度の元手を手にしてからだ。
多くの人は、「小さな成果」がたまるまで待てない。
貯金がほとんどない状態で、いまの職場を飛び出し、大ばくちを打ってしまう。
しかし、結局はうまくいかず、なけなしの貯金を使い果たし、また大勝負に出てしまう。
自分のいまの実力以上の仕事をしようとしたり、「もっと活躍できる場があるんじゃないか」と考えて転職したりする。
これを繰り返すと、恐ろしいことにビジネスパーソンとしてキャリアはどんどん細くなる。
- 最終更新:2011-11-19 17:57:55